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商店街の奥まった場所に、ずいぶんと年期が立つが
何度かの舗装を施されながら地域の人々に親しまれてきた神社はあった。
その入り口に当たる高さも幅もそうない石の柱が並ぶその1番手前の柱の上に立つ1匹の猫。
透き通った黄水晶のような双眼の中に黒い瞳を落とし込んだ目と、小柄な姿に宿す存在感の強さに視線が外せなかった。
(後に猫と不必要に視線を合わすもんじゃないと
知った)
ージロジロみんな にんげん
唐突に猫のいる方から声がした。
ー ?
声の主を探して辺りを見回すが、人の気配すらしない。
空耳かなんかかと思い始めた所にまた、
ーどこみてんだよ、マヌケ
さらに声は言う。
しかし、声の主の姿は一向に見えない。
場所は神社の目の前
改めて見れば親しんだ神社だけれど
昼時でもよくよく見れば
暗がりなどチラホラ見当たり、人気も疎らだと
人ならざるものが現れそうな雰囲気もありそうな、
そうでもないような・・・・。
ある結論に至って背筋がうすら寒くなり
思わず
「幽霊?」
呟いた声が裏返った。
ーんなわけあるか マヌケ
またしても、猫の方から呆れたような声がして
何気に視線が猫の口元を捉えた。
マヌケって呟きが猫の口の動きと連動しているのを
ー・・・・え
何かの見間違いにしか思えない。
猫の口から人間の言葉が出るはずがない。
マジマジ猫を観察してたが猫の足元に
唐揚げを見つけ、さっきまでの恐怖より探しあてた唐揚げが何故、ここにあるのか?の不可思議さに思わず体の方が動いていた。
「こんな所になんで?」
猫のいる石の柱に思わず貼り付き、石の上の唐揚げを見上げてしげしげと見つめた。
ードスっ
「っわ!」
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