第5話

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第5話

じゃあ、植物はどうだろう。辺りを見わたす。 大木が、天に向かって枝をのばし、雄大にそびえている。 なかなか、よさそう。 根元には草花がおいしげり、風に揺れている。 f2958722-e1b2-4449-a6ab-adfbc1a4b2aa なんとも、平和だ。 うむ。植物はよさげだ。 このまま、人間として不本意な生活をつづけていても、いつかきっと後悔する。勇気をもって、新しい環境に飛び込んでみよう。人生はチャレンジだ。いつかの研修でも、そんなことを言っている人がいたような。 「植物になる薬をください」 「植物ですね。では、こちらの小瓶をどうぞ」 神様らしき女性は、そういって若者に銀色の小瓶をわたした。 若者は、意を決して、渡された瓶の中の液体をぐいと飲みほした。 まずい! 途端に、めまいがした。世界がゆがむ。ぐるぐる回る。ぐるぐるぐるぐる……助けてくれ!
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