天野君へ

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 顔を見合わせてふふ、と笑う。天野君の白い歯がちらりと覗いた。 「でも、天野君の名前って天の川みたいだよね」 「うん、正直に話すと名字と天の川が似てるから星が好きになったっていうだけなんだけど」 「それは初耳かも」  レジャーシートに寝転がりながら星を眺め、小さな声で雑談。大学に入学してこんなことが経験できるなんて高校の私は知っていただろうか。  人と話すのは、こんなにも楽しい。星の話はこんなにも楽しい。  二年前の私に伝えてあげたい。これが青春だよって。 「ごめんね、結構時間経っちゃったよね」 「ううん、楽しかったからいいよ」  レジャーシートを片付けてくるくると丸めて自転車の荷台にくくりつける。
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