蝶は肌ける(1)

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「ただいま〜」  玄関の靴など目にせず、この時間ならば彼氏が居るだろう。そう憶測で言ってみたのだ。  すると寝室の方からドタバタと何かが慌ただしく動く音がした。何の音だろう。そう疑問を持ちながら、玄関から真っ直ぐに寝室へと向かった。 「お、おかえり。早かったんだね」  寝室を開けば下着姿の彼氏がベッドに座っていた。突然、私が帰ってきたものだから焦った後なのか、目がキョロキョロと泳いでいく。  怪しい。彼氏に対して不信感を持つ。
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