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アルケーが大きな声で両手をマントから出して後ろの扉に向かって広げる。赤い大きな扉が開くと、入口と同じような甲冑の戦士四人に囲まれた一人の女性が歩いてきた。
歳は多分ロイより少し年上。淡いピンクのドレスは気品漂わせる。金の美しい髪に赤、青、白の宝石を施したカチューシャが。目を開くと青い、空のように済んだ大きな瞳。口元の膨らみは艶やかさを演出し、白い肌は清らさを示す。
甲冑の戦士の中心から彼女、ラファが声をかける。
「ロイ君ね。」
「はい。」
「…貴方の心を見せて下さい。」
ラファはそう言って両手を合わせ掴み、祈りの姿勢に。すると。
バサァッ!
ラファの背中に白い大きな翼が現れた。
六枚の翼が優雅に羽ばたき、ラファの身体を宙へ。
思わず見とれるロイ。
するとロイの額から光の球体ゆっくりと出てくる。
《…これは…。》
その光の球体。輝きながらロイから出ると、光は淡くなり中に白い1枚の羽根が。
しかしその羽根は真っ白ではない。灰色や黄色が混ざり汚れくすんでいる。
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