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「貴方の心にも僅かですが"咎"の色が出ています。このまま悪意に染まれば、いずれ貴方は"悪魔"に変わってしまいます。」
ラファは両手を前に差し出すと、ロイの羽根の球体がラファの手へゆらりゆらりと上っていく。
ラファはその球体を手に強く握りしめる。六枚の翼はゆっくりと光り始め、白から赤、青、黄色、ピンク、と七色のプリズムの様な輝きへ。
「エンジェルフェザー!!」
ラファの声とともに大きく六枚の翼が広がった。輝く羽根が四方へ広がる。羽根は部屋の中に留まらず、王都全体へ広がり、王都のみんなの身体を通り抜けていく。
羽根が人を通り抜けていく。すると目には見えない人の中の羽根が白い色へ。それはラファの手の中にあるロイの羽根も同じだ。くすみが取れて白い色に。
「貴方に天の加護があらんことを。」
ラファは両手を広げると白くなった羽根がロイの頭へ戻っていく。
煌めくそのラファの姿にロイはただ見とれていた。
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