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「10年分の"咎の力"の"解放"ってなると、手に負えないよ。」
「だから、悪魔になる前に殺す必要があるんだ。…今のうち別れの挨拶をしないといけないな。俺たちもいずれその時が来るぞバネッサ。」
「うーん、そうだね。"咎の力"で悪魔を一体でも倒せばそいつが悪魔になっても、悪魔の数は増えない。二体以上倒せば御の字だもんな。」
バネッサはため息だ。
「…それより、バネッサ。俺たちに大きな仕事が来てる。」
「何さ?」
「それこそ近々王都へ大きな動きがあるらしい。俺たちは王都の役人と一部の天使の保護が仕事だ。」
「あーあ、天使様が悪魔の力を持つ人間に守られるなんてね。」
「皮肉はいい、キリュウも呼んでおけ。」
ガルはそう言って、森の中にあるテントで荷物をまとめる。
「キリュウ!大きい仕事だよ!」
バネッサは大声でキリュウを呼ぶ。しかし返事がない。
「全く、あの子は本当に愛想無いね。」
バネッサは呆れて、自分もガルと同じ様に荷物をまとめる。
「よし、今夜から王都へ。
依頼は天使約4名の保護だ。アルケーが依頼主だ。」
「はいはーい。」
バネッサは返事をする。そして荷物を入れたバックを肩にかける。
ガルは自分のリュックともう1つのリュックを持つ。そしてテントを畳む。
テントをたたみ終わったタイミングを見計らうようにキリュウが戻ってきた。
「…移動か?」
「そうだ。ほらよ!」
ガルはバッグをキリュウに投げた。
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