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王都の内部の城。
城の中で王都をそのまま縮小させた状態にある球体がある男性の手の中に。それを見つめる者が一人。金髪で綺麗に前髪を真っ直ぐに揃えている。彼の周りには甲冑の兵士たちが。
「ふむ。悪魔がやはり近づいてるな。」
「本当ですか?ドミニオン様。」
「あぁ、その様だ。淀んだオーラを感じられる。作戦通り、天使達を三ヶ所に分けて悪魔の襲撃に備えるように言うんだ。」
「承知しました。」
甲冑の兵士たちはバラバラに別れて連絡だ。
「ドミニオン。」
「これは、ラファ様。」
後ろから声がしてドミニオンは球体の王都を話すと、それは砂のように崩れて行く。そして深々振り返りラファに膝を着いて頭を下げる。
「もぅ、堅苦しい!」
「何をおっしゃいますか!ラファ様は我々天使の中でも最高位。人々の浄化の力は唯一無二の存在。」
「うーん、それでも私は中身はフツーの女性なんだけどね。」
頭を下げるドミニオンに対してラファは口を尖らせている。
「で、それより悪魔が近づいてるの?」
「ええ、黒いオーラを感じます。今回は単体ではないので、しっかりと天使達を配置し、都民と我々の平和を守ります。」
「うーん、なんか嫌な感じ、私も感じるんだよね。」
ラファはそういって城の内部を見渡す。
「アルケー達は?」
「アルケー達には既に西に配置を…!!」
ドミニオンが報告した瞬間、何かを察した様だ。手を広げて大きな円を描く。手の軌跡が光の筋となると鏡のような物が空間に出来上がる。
そこに映るのは東側の城壁。その外に真っ黒な身体に、黒い翼を広げる者が。
「悪魔です! 東側から襲撃だ!」
ドミニオンは声を上げる。
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