聖なる咎人

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ドミニオンは更に手で円を描く。今度映るのは西側のアルケー達とデビルズハンター達だ。 「アルケー!私だドミニオンだ!東側城壁に悪魔が出現した!」 「何!?ドミニオン様、それは本当ですか!?」 「あぁ、悪いが君達を東側側へ移送する!…いや待て!?」 ドミニオンはふたつの作った空間を見比べる。 西側の城壁の外にも真っ黒な狼のような獣の姿が見える。 「くそっ!?2ヶ所同時にか!いや!?」 更にドミニオンは手を回し、空間に映像を作り出す。 「不味いぞ、王都の外に三方同時にか!」 ドミニオンはそれぞれの場所に黒い悪魔の姿を確認している。 「アルケー!お前達四人の天使をそれぞれへ分担させる!直ぐに増援もする!」 「し、しかしドミニオン様!私どもは悪魔とは!?」 「今戦うのが我々天使の役目だ!」 アルケー達とデビルズハンター達の前の空にドミニオンの顔が映っている。 「なぁ、あんた。」 「なんだ君は!?」 キリュウがアルケーの横から一方前に出た。そしてキリュウはアルケーの頭を掴んだ。 「俺とこのおっさんはここに。」 そしてキリュウは天使三名とガルとバネッサを見て互いにアイコンタクトを取る。 「他の天使にも俺たちの仲間を1人ずつつけて、その移送は出来るか!?俺たちは悪魔との戦いにはそれなりに慣れている。」 ドミニオンは一瞬考えた。しかし自分の前の空間に居る悪魔が翼を広げて城壁に沿って飛び上がるのを見て迷いを払った。 「分かった、天使達とお前達を移送する!」 ドミニオンは自分の作り出した空間に手を入れ、天使達を掴む。するとキリュウとアルケー以外の天使とハンターは光となり散り散りに。 ドミニオンは握った手を別の空間へ入れていく。 そしてそれぞれの場所へハンターと天使が舞い降りる。
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