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「さてと。」
キリュウは目を閉じて神経を研ぎ澄ます。そして城壁の上を見る。自分より少し右。ちょうどアルケーの上だ。
「おっさん!来るぞ!」
「何!?ええい!こうなれば!」
するとアルケーは杖を振った。するとアルケーの周囲を3メートルほどが光のドーム状に包まれる。
「どうだ!これぞ天使の力!この聖域には汚れたものは入る事は出来ん!」
アルケーが叫ぶ。するとそれに応えるように後ろから声が。
「ガガガッ!」
「!?」
アルケーが振り返るとそこには真っ黒な姿をした悪魔が。細い身体に大きな角。裂けそうな口に並んだ牙。そしてアルケーの光のドームへ手を伸ばす。
ジュッ!
悪魔の腕から焼ける様な音がして湯気が立つ。
しかしそれ以上は何も無く、悪魔はそのまま腕から順に身体を入れる。
「ガガガッ!天使、見っけ!」
「なっ!?」
悪魔は牙の中から長い舌を出して、そのまま笑いながらアルケーに突っ込む。
「天使様!ご愁傷様!」
鋭い爪がアルケーに向かって伸びる。
「ぬあああ!」
アルケーは悲鳴をあげて眼を閉じる。
そして爪がアルケーの目の前で止まる。キリュウが黒い剣を出して爪を止めていた。
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