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金属のボコボコで使い古されたタライで冷たい水を汲んで、頭から浴びる。髪をゴワゴワのタオルで洗ってまた同じ服を着る。
「ロイ、あんまり無理はしちゃダメでしょ?」
「分かってます。」
タオルを洗うシスターと背中合わせで話し合うロイ。
「シスター、今日の外仕事。金が袋一杯に取れました!これだけあればしばらくここの施設も安泰でしょ!?」
ロイは自分の荷物から麻袋を取り出す。床に置いた袋からは金塊かいくつも顔を覗かせる。
「まぁ、こんなに金を!?一体どこへ、どうやって?」
「この間言ってた、外仕事を紹介してもらう所で。王都の外の山から取ってきたの。」
「…王都の外。本当に大丈夫だった?
"悪魔"に出くわしたりしたら…。」
心配するシスターのセリフにロイの背筋が凍る。一つ身震いをして「大丈夫だよ。」とだけロイは口にした。
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