6人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日。
王都の真ん中に建つ城。
そこへロイが訪れた。
城の門扉には甲冑を身に纏う戦士が二人で見張りをしている。
「すみません、ホーリー孤児院の者ですが、天使様の浄化を受けに来ました。」
ロイが頭を下げる。すると甲冑の戦士は頷いてロイの両手を手錠と鎖で拘束した。腕が上がらない程重たい鎖と手錠だ。
そのまま戦士と歩いて奥へ進む。王宮の入口とは別の離れに案内される。そこには金髪のオールバックのおじさんが。自慢のカールした髭を触っている。
「良くぞ来たな。さぁ浄化を受けるといい。」
「ありがとうございます。"アルケー"様。」
ロイは深々と頭をさげて出す言葉。
アルケーは大きな声で笑う。
「ワハハッ、良いぞ。我々"天使"が庶民を助けておるんだ。深く感謝するんだ。」
アルケーはその金銀の装飾を施したマントを引きずり、高価な杖を手にしたまま、ロイの顎を掴んで顔を上げさせる。
「感謝しろ、ホーリー孤児院で今まで受けた浄化の分の代金、43回分を金一塊でチャラにしてやるんだから。」
アルケーの顔をロイは渋々と見る。その反抗的な目を見てアルケーはロイの顔を下に強引に向ける。
「さぁ、浄化の時間だ。大天使"ラファ"様のおなりだ。」
最初のコメントを投稿しよう!