#7 「お前、どんな携帯小説を書いてんだ」

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その主はあたしの両肩を支えて、目線を合わせようとするから、 「みみ、見ないでっ!」顔を手で覆う。 「何故だ」 「恥ずかしいに決まってるじゃない。あんなになっちゃってもうぅ」 「恥ずかしくなど無い。やり過ぎたのは俺だ」 「そうじゃなくって。み……、乱れちゃって。引いたでしょう」 「下らない言葉に置き換えるのはやめろ」 手首に触れる力は強くないのに、あたしを身ぐるみ剥がしていく。 「見くびるな。俺は、どんなになったお前でも受け止める覚悟だ。半端な思いでお前に手を出してるとでも思ってんのか」 「おも、わない」 「そうだ。だから」急に言葉を止めた彼。顎を摘まんでふと考える仕草。 「先週、自分で言ったことを覚えてるか」 「あ」 『あなたに見てほしくないとこなんて、あたしには少しもないの。全部見せたげたい』 「覚えてますね。どうしましょう」 「全部見たい、と思うのは俺の欲望だ」 「直球ストレートですね」 「他にどう言えばいい。教えてくれ」 「愛してる、とか」 「安易に逃げるか」 「そんなことは」 「で、本当は何の小説を書いている」 自分の頬が固まったのが分かった。
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