#7 「お前、どんな携帯小説を書いてんだ」

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「おかしな話かもしれんが、あいつらを、家族のように思っている。消すことは出来ない」 「うん。分かる」 居場所がなかったあなたにとって、与えてくれたみんながどれだけ大切なのか。 ただ、別格がいたことを思い出して、切なくなっただけなの。 「お前も同じだ。俺の知らない過去があったからこそ今がある。どれ一つ欠けても、ここに居るお前は成り立たない」 取り繕いのない、嘘のない世界は時に残酷。 けど彼は、隠すことを。偽ることを断固として拒否する。 彼の正義を誇らしく思う反面、卓越した厳しさは時に苦しめているとも思う。 「と言いつつも」あたしの顎を掬い、向かせる彼の手。 微苦笑を浮かべてるようにも見えるけど……? 「過去どころか今のお前全部を塗り潰したい俺は、贅沢だろうか」 ぶわわっ、と頬に熱が走る。「あ、……身、に余る光栄かと」 「そうか」と瞼を下ろす彼。 あたしは目を閉じて結論を待つが、 「一つ、教えてくれないか」 ミリ単位の距離でおあずけ。 「小説では、どんな風に結ばれる」 「ふえ?」 「お前が理想とする形がある筈だ。それを叶える義務が、俺にはある」
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