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変なところで真面目なのよね。冗談かと思いきや、この人は本気のマジだったりする。
「了解しました。ね、キスしないの?」
「事後のご褒美だ」
まったく。
自分からのキスを『ご褒美』と言い切るところに、この人の自信と不安が表れている。
――ふたりっきり。
映画みてる。アタシたち。
内容?
ゼンゼン頭に入んない。暗い部屋。パパとママはいない。
手が触れるか触れないか。ちょっとずつ近づいてるのは気のせいかな。
ちらっ、と隣見た。
ギュッ、と握られた。『えっ……』
マサキくんの、すごく真剣な顔。
『ごめん、ひなちゃんっ』
ソファーに倒されるアタシ、覆いかぶさる彼。アタシのセーターの下に手を突っ込んでくる。『アッ……』
感度の高い声が出ちゃう。ホックをはずされて、――
「女を抱くのに『ごめん』だと?」
妄想は破られた。蒔田さんは忠実に実行しながらも、顔をしかめる。
「しかも、解せねえ。これじゃ野獣だ」
「あなたも大して変わらないじゃない」
憮然として彼は言う。「お前の目が求めているかそうでないかを見て、俺は判断している」
「えっ、そうなんだ。知らなかった」
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