#7 「お前、どんな携帯小説を書いてんだ」

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「悪かった」そっと抱きしめられるだけで変な声があがる。からだがばらばらになったみたい。 あたしの意識は、崖に落ちるすんでの所で引っかかっていて、どうにか保たれている。 「ふぁっ……」瞼を拭う生あたたかさ。違う、唇。 触れて離れてが頻繁だから、きっとあたしは泣いている。 皮膚から染みいる彼の不安。 違う、と伝えたいのに声が出ない。感度は増すばかりでちっとも役に立たない。 まとまらないあたしという存在を、どうにか繋ぎとめて欲しいのに。と―― ぎゅううっと力が入る。包む腕に、手に。「あっ、あ」 「大丈夫だ。大丈夫……」 落ち着いた声に、支える肌に、少しずつ戻ってきた気がした。けど、 「うっ、わぁああん」止まらない。どこにどう持っていけばいいのかが分からない。 はだかの胸がどんどん濡れて行く。 すべてをぶつけながら次第に、意識が遠のいていくのを感じた。 頭の後ろを滑る手のひら。顔を動かせばみちゃり、肌が離れる音。 どちらも、涙と鼻水だらけだ。右頬には布の感触。寝てる、あたしは。 「落ち着いたか」冷静な声が降ってくる。
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