ママのスーパー美肌占い!?

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ママのスーパー美肌占い!?

「ぷっはー! うんめえええええ!」  ドンと鈍い音を立ててちゃぶ台にジョッキを打ち下ろし、あたしは息を吹き返す。  うちのママ以外誰も口にしてないからもう完全な死語だと思うけど、花の金曜日、略してハナキンにゃビールがほんとによく似合う。  特にこんな暑っつい季節には、なおさら。 「よっ、いい飲みっぷり! 色気がゼロ超えてマイナスだ!」 「それを言うなよ、中島ぁ。貴様と俺とは同期のサクラだろ~」  向かいの席で上機嫌にケラケラ笑って枝豆をぷちぷちしているサラリーマンは中島くん。  同期入社でなぜかやたらと仲良くなった、営業二課の若手ホープである。  中島くんが首元に指先を差し入れて、ぐいとネクタイを緩めた。  息継ぎする水泳選手みたいに喉仏が動いた。 「だなー! そんなことよりイソノ、野球拳しようぜー」 「なんでだよっ。つうかあたし愉快で陽気な海洋生物じゃないからね」  国民的すぎるアニメの小学生のセリフに不穏なネタを織り交ぜて、中島くんは白い泡を心底嬉しそうに啜り込む。  経理課の女の子たちに、見せてやりたいこの笑顔。  顔面で営業してると噂のわが社の王子様だって、ひとたび居酒屋に繰り出せばそのへんのおっさんと何にも変わらないんである。  とは言え。顔の作りだけなら確かに、中島くんはイケメンだ。  特別コネがあるとか学歴がいいわけでもないのに滅茶苦茶営業成績がいいのも、全部ぜんぶそのアイドルじみたご尊顔のおかげなんだ、絶対。  だってほら見てよ、ぱっちりしたお目々に黒くて長ーいまつ毛。  この透き通るような白い肌……ってお前は白雪姫か?
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