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「もういい加減、俺と付き合ってくれないかな」
「……あっ、はい。もちろんです」
反射的にそう言った瞬間、わーっと歓声が聞こえてきてようやくあたしはそこが白昼のオフィスだったことを思い出す。
「やったあああああああ」「ついに告白したぞ!」「ここまで長かったあああああ」「ショーック!」「千円もうけ♪」「よかったな中島ーーーー!」「えええ中島先輩があああ」「うそでしょ」「おめでとおおおおおおお」
四方八方へ「どうもどうも!」なんて言って投げキッスを送っている中島くんを呆然と見上げる。
これって、あれ? 夢ですか?
「あー、盛り上がってることほんと悪いんだけど、仕事もしてもらっていいかな……」
課長がなぜか申し訳なさそうにそう言って、ようやく皆我にかえって席につく。
あたしはまだふわふわした気持ちで、なんだろう、身体に力が入らない。
「じゃ、今日は一緒に帰ろうな♪」
満面の笑みであたしの頭を気やすくぽんと叩いて、中島くんは口笛なんか吹きながら自分の席へ歩いていった。
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