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「んー? 何、俺鼻毛でも出てるぅ?」
「出てねーよ、バーカ」
ちょっぴりヤサグレモードであたしはゴツゴツの唐揚げにかぶりついた。
うーん、カラッとジューシー。
最高にうまい!
「あーそれ俺が目ぇつけてた唐揚げ!」
「悔しかったら、名前でも書いときな!」
「言ったな、こんにゃろ」
忙しそうなバイトの女の子を呼び止めて、中島くんがウィンクしながらたらしこんだ。
「ねえそこのカワイイ店員さん? 悪いんだけど、マヨネーズ持ってきてくれないかなあ。できたら細いチューブをつけて……」
「ああすいません、この人酔っているんです、マヨで唐揚げに名前書くつもりです、持って来なくていいですから、マジ!」
困惑気味に女の子が「はあ……」などとうなずき、中島くんはこっちを向いて「よく分かったね俺の考えてること」なんて言って手を叩いている。
こいつ、たいがい酔っていやがる。
女の子はちらちらと中島くんを振り返りながらも、厨房からなんか怒鳴られてそそくさと奥へ消えて行った。
中島くんは、本当に顔面がキレイだ。
それに比べてあたしは。と憂鬱になる。
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