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「まあでも確かに、ファンデーション? つうの? あれベッタベタに塗りたくって能面みたいな人は正直ヒクよねー」
「あっそ」
にゃはは、と上機嫌にゲンコツみたいな唐揚げを前歯で噛みちぎる中島くんは、もうそろそろ青年と呼ばれていい年齢を超えそうだというのに、ファンデーションどころか日焼け止めさえつけなくても、なぜか透明感があってうるうるつやつやの美肌なのであった。
天は人の上に人を作らず、とは言うらしいけど、たぶん天は人の上にイケメンはホイホイ作ってんじゃないかと思う。
考えても羨んでも仕方ないので、あたしは中島くんに全部取られないうちに大ぶりの唐揚げを皿の上からひょいっとかっさらって口の中へ。
うーん、やっぱりサクッとジューシー!
「ギャー、俺の唐揚げまた取られた!」
「無記名品に所有権はございませんから」
めちゃうまな唐揚げで、今夜は生ビールがすすむ、すすむ。
ただし財布の中の諭吉先生はどこかへ行ってしまうんだけど。
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