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あたしは予告通り半熟の目玉焼きをご飯の上でとろりと黄色く崩しながら、ふと目に入ったシャンプーのCMを顎でしゃくった。
テレビん中。さらさらの髪で振り返って笑う。
天使の輪っか、つやつやしてキレイ。
この人確かあたしと同い年なんだ。
出身も同じ県なのにどうして仕上がりにこう差が出てしまったか。
「あたしだって、ゆりりんくらい美人だったら積極的にもなりますけどね」
「葉山ユリカちゃん? ママには、まーちゃんもおんなじくらいかわいく見えるけどなあ」
はい出た親バカ発言。
鼻で笑った私にママは続ける。
「ほんとだよ? 女優もアイドルも、みんなそのへんの女の子と変わらないんだから。違うとしたらものすごく美肌だってことくらいよ。美人の八割は、お肌で決まるんだから。ね、パパっ?」
急に話を振られて、パパは目を白黒させながら「え、うん、たぶん」とかなんとか適当なことを言った。
「ほら。パパもママのスーパー美肌にクラクラノックダウン、一生ラブラブ愛してる、ですって。そういえばまーちゃん、会社入ってから大人ニキビ増えたよね」
「じろじろ見んな」
というかパパの発言、自由に解釈されすぎでは。
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