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「どうやって私のこと知ったの? [これ]、そこまで大々的にやってるつもりはないんだけど」
「文学部に高校の友達がいてさ、千鳥さんにラブレター書いて貰った子。告白バッチリ成功したっていうから、こりゃご利益にあやからねばと」
「ご利益ね……」
神頼みの一種と勘違いされているような気がする。否定したい気持ちはあるが、かといって正確な理由を説明することも出来ないので千鳥は曖昧に笑う。
きっかけは、確か中学生の時。多感かつ敏感な心を持つ思春期、甘酸っぱい恋に興味が湧くのは必然だ。
千鳥も普通の女の子と同じように格好良い先輩に憧れたし、スポーツや勉強が出来る同級生に想いを寄せることもあった。
しかし告白するには致命的に度胸と勇気が足りなかったせいで実際の行動に移したことは一度もない。
取り柄といえばその頃からそれなりに綺麗だと評判だった筆跡くらいで、勉強運動容姿全て平均レベルで収まる凡人だ。
そんな千鳥に、ある日友人が相談してきた。彼女は気になっている同級生にラブレターを渡したいという。
しかし字が汚いのをコンプレックスに思い中々行動出来ないのを悩んでいた。
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