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上がり症でもある彼女は面と向かって言うことはどうしても出来ないと困っていた。その為、当時の千鳥は軽い気持ちでラブレターの代筆を引き受けたのだ。
便箋一枚に本人が一所懸命に考えた文章を書いていく。たったそれだけのことだが、出来上がったラブレターを確認した彼女はとても喜んでくれた。
なんの取り柄もない自分が初めて明確に感謝されたことが千鳥は純粋に嬉しかった。
さて本題はここからで、ラブレターという唯一絶対の武器を手に入れた彼女は勇気を振り絞って好きな人に告白した。
渡してすぐ逃げ出してしまったものの、その後に彼は、なんと彼女の告白をOKした。
ラブレターで気持ちが大きく揺り動かされた、とはたまたま高校でその彼と同じクラスになった時こっそりと聞いたことだ。
ともかく、それがきっかけとなって千鳥の元には時たまラブレターの代筆を依頼してくる人間が訪れるようになった。
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