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その日は、ゴールデンウィークも終盤を迎え、明日からまた講義が始まるという頃だった。
千鳥紋瑚は朝から自分の通う短期大学部の図書館で休暇明け一発目に提出する課題と格闘していた。
本来であれば連休中に余裕を持って片付けておく筈だった。しかし、実家である山梨へ帰省する際、課題に使用するパソコンや資料一式をうっかり忘れてきてしまったのだ。
お陰で休暇中は存分に羽根を伸ばせたが、その代わり課題に手を付けるのは後回しになる。
帰ってきたのは昨晩だが、連休特有の長い渋滞に巻き込まれた高速バスに揺られたせいで酷く疲労していた。
パソコンの前に座るまで後一歩という所で力尽き、今朝悲鳴を上げながら飛び起きたのも千鳥の記憶に新しい。
結局、家の中では誘惑が多過ぎるという結論に達して、文字通り朝から晩まで図書室に籠って課題を進めた。
テーマがあらかじめ決められたレポート一本、字数は二千字程度。短大生になったばかりの千鳥はまだレポートの書き方というものに慣れていない為随分手こずった。
しかし、図書館で集めた資料を元にどうにかレポートをまとめることが出来たのだった。
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