序

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 序

 人生も終盤に差し掛かると、それまでの道のりを振り返って、あの時、あの選択をしていなかったら、この選択をしていたら等と、ふと考えたりする。  そんな考えても仕方のないことをつらつらと思い巡らす時、それは暇を持て余しているか身体が弱っているかどちらかだろう。  今に満足していないわけではない。特に子供がいたりすると、それだけで後悔のほとんどが消える。  でも、時々考えてしまうのは、強く生きているつもりでも虚勢を張っているだけで、実は弱い人間だからだろうか。  あのしがらみがなかったとしたら、あの出来事から逃れていたら、もしかしたら別の人生があったのではないかと思い浮かぶあれこれ。  いつの日か子供達に聞いてみたいものである。  あなた達ならどうしていたかしらと。  もっとも、今を生きる子供達が親の昔語りに興味を示すことはないだろうが。
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