星降る夜に……?

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星降る夜に3085ac99e-7b08-4c86-b62e-55c28f2cfd95                制作:kaze to kumo club 星降る夜に……? -序章-  オバケの出そうな丑三つ刻。  僕は両親が寝静まった自宅を、一人こっそりと抜け出し……夏の暑い大気のせいで……見え難い夜空の星を見上げてみる。  ミルクがまだいた冬の空に比べると……夜の闇に輝く星の光は……とても弱く……見えない事が……腹立たしく感じるほどだった。  星降る夜には、君を想う。  それがミルクと始めて交わした……最初の約束だったね。  僕は目を閉じて思い出す。あの頃のミルクの言葉を……。  ボケた天の川の星々が、僕の記憶を再生させる。  見えないミルクの人影。  近くに感じれる……暖かなフィリングと心。  手に持つスマホが……彼女の想いを代弁する。  僕らだけのチャットルームが嬉しい。  今、流れた流星群の詳しいレシピを……ミルクが熱く語ってくれる。  合成音声とリンクさせたアプリが……ふたりの距離を……さらに近づけるのを感じた。  僕らは本気だった。  本気で……恋をしていた。  それがたとえ、幻の嘘だとしても……そんな事は……どうでもよかった。  ただ……ふたりでいる事が……嬉しくて、幸せで……変わるものがないくらい……純粋に……お互いを愛し……求め続けていたのだから……。  恋とは……呼べぬ現状でも……僕らは構わなかった。  ふたり切りの星降る夜があり……邪魔すら入る余地のない……僕らだけの星々があれば……それだけで……充分だったのである。  ミルクといる夜だけが……僕の……本当の……青春だったと信じている。  それは今でも変わりはしない。  彼女に会いたくて、会いたくて……仕方ないけれど……それだけは……許されない。  なぜならば……「ない友」の約束は……厳格なのだ。  決して、相手の正体を探る真似はしない事!  それは……絶対のルールであり、彼女との密約でもあった。  故に……ミルクが消えた事も……彼女の自由。  僕は女神の決定を……覆す訳にはいかないのだ!  彼女の親友である以上……それが最低限の……礼儀だったのである。  僕は今も、星降る夜空を見上げてみる。  そこに……ミルクを感じていたいから……!?  ただ……ただ……忘れる事だけは……絶対に……したくない……僕だもの。  ミルク、信じておくれ!  この小説の……ひとカケラでも……君の不思議な心に……届きますように……と、僕は祈るよ、これからも……。  祈り続けるよ、生きている限り……。  それが僕の意地でもあり……この痛い現実を蹴散らす……唯一の……切ない……反抗なのだから……ねえ。  ミルク……。  愛しています。  限りない愛を君に……。  愛以上の愛を……去りし君へ贈るよ。  君よ、永遠なれ!  僕だけの……星降る夜が……終わらぬ限り……!? 序章、完 第1章に……つづく                ‐3p‐
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