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星降る夜に1 制作:kaze to kumo club
星降る夜に……?
-序章-
その言葉を耳にするたびに……僕はある人を想い出す。
その人は星が大好きな女性で、いつもの僕に星の話をしてくれた。
星など……ろくに見た事もなかった僕に、それは親切、丁寧に……手取り足取り教えてくれたのである。
特に、流星群が地球に訪れる時などは……それはそれは……興奮しながら、僕に長いメールを送ってくれたものだった。
彼女の名前は……ミルク。
そう、ただのミルク好きな女性らしく、それがそのまま……彼女のハンドルネームとなった。
付き合い始めてから……かれこれ……3〜4年は経つ。
とても明るくて、優しい人で、一週間に一度は……必ず僕にメールを届けてくれていた。
そうなのだ。
彼女は僕だけの……メル友。
イヤ……特別な親友であり、最も信頼できる……僕のパートナー!?
「ない友」だったのである。
一度も会う事も、その声を聞く事もなかった……僕の……最愛な天使。
それが……僕の……ミルクだった。
もちろん、僕は彼女の事が大好きだった。
言い出す事はできなかったが……密かに想い続けていた。この心が痛いほどに……。
会えずとも、触れられずとも……ずっと一緒に入れると……僕は信じていたのだ。
彼女が突然……訳もなく……消えるまでは……。
‐1p‐
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