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星降る夜に、かつての少年少女達の宴会は続く。
一時間騒ぎ倒し、歌いまくり、飲みまくり、食べまくり――祭の〆として定められた儀式は、ただ一つ。
自分達の絆はこの儀式をもって永遠となる。
永遠に、同じ罪を背負った共犯者として――同じ秘密を共有して生きていくのだ。
「そろそろ、やろっか」
「……そだね」
景の言葉で、私はシートを片付け始める。四人でもう一度一緒に星空を見て、楽しく騒ぐ。かつて願い、約束した言葉は叶えられた。こんなことで全てが償えるとは思わないけれど、それでも――少しは満足してくれただろう。きっと、百華も。
――ごめんね。
私と、将と、景で。丘の上に、穴を掘る。なるべく深くなるように、どこまでも深くなるように――けして誰にも見つかることのないように。
この宴会は、弔いの儀式。
貸したお金をそろそろ返して欲しいと言ってきた百華を、三人で殺害してしまったゆえの――どうしようもない、贖いだ。
――私達、やっぱりあの頃と同じようではいられなかった。……今だけは、許して。ちゃんと最後は、三人仲良く地獄に行くから。
彼女から無理やり借りたお金を元手に、自分達は再出発するのだ。全ては守りたい家族のために。彼らの未来のために。
物言わぬ百華の遺体を穴の中に投げ入れて――私達はそっと、手を合わせたのだった。
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