七月八日

3/4
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 エレベーターを待つのももどかしく階段を走り降りた。雨の日はタクシーがつかまらない。メガネの言った通りだ。こんなに急いでいるのに、雨は嫌いだ。早く止まって!  車と接触して、検査中だと病院からだった。  頭を強く打っているとのことだ。  嫌だよ。  織姫と彦星は一年に一回は会えるんだよ。もしもこのまま……。ううん。絶対そんなことない。一緒に暮らすようになって、もうすぐ一年。まだ、籍だって入れてないんだよ。気をぬくと、あふれそう。  次々に頭に浮かぶのは、白い歯を見せた笑い顔ばかり。  嫌だよ。  流れ星にでも……なんて考えたからだ。  ごめん。私のせいだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!