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その週末、私は10年ぶりの同窓会に出かけた。みんなすっかり年をとり、見事におじさんとおばさんになり果ててはいたが、話してみればすぐに懐かしい中学生の頃に戻ったようで、和気あいあいと楽しい時間を過ごした。
23時半、二次会まで楽しく参加した私は、ご機嫌で主人に電話する。
「もしもし〜、お父さん? 今、終わって、みんなで駅にいるの。迎えに来て」
酔いも回って、いい気分だ。
15分ほどで、主人が車で迎えに来た。私は、まだそこに残ってる旧友たちと別れを惜しむ。
「またね。また、やろうね」
女友達に抱きつき、男友達と握手を交わす。
「じゃあね〜」
助手席の窓を全開にした私は、みんなに大きく手を振りながら、その場を離れた。
みんなが見えなくなり、窓を閉めた私は、主人に話しかける。
「聞いて、聞いて! 今日ね、45人中、40人集まったの! すごくない?」
こんなに大勢が集まった同窓会は、未だかつてなかった。
「ん」
「みんな年とって、おじさんとおばさんになってたけど、やっぱり同級生っていいよね。あっという間に、あの頃に戻れるし」
「……」
「前に、初恋の人の話、したことあったよね? 今日はその人も来ててね、昔は、神崎さんって呼んでたのに、今日は女の子たちと一緒に、なっちゃんって呼んでくれてね。なんか、嬉しかったなぁ」
「……」
酔って興奮した私が一方的にまくし立てる中、主人は呆れてるのか、ただ無言で車を走らせていた。
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