短編集~プリズム 夏の初めの星月夜

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 初夏の週末に、私は彼を誘って少し離れた街に向かった。  お盆にはまだ早いから、誘いには意外そうだったけど、いいと言ってくれた。  「結構遠いんだね」  初めての街と言っていたから、当然の感想かもしれない。どんどん山に向かうから、実際の距離よりも遠く感じると思う。  「うん。でも、いいとこだよ」  昔はもっと滞在していたけど、働くようになってからは、大きな連休くらいになったから寂しい気持ちはある。  私にとっては故郷(ふるさと)だから、もう少し回数を増やしてもいいかもしれない。彼次第だけど、気に入ってほしいと思った。
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