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それを聞いたイザとガットは思わずその方向を見るが、やはり二人にはその出元は確認できない。
「どうする?」
イザがガットを見つめるが返事は返ってこず、三人は暫し立ち止まり無言のまま時を過ごす。
行けば何かしらのきっかけが掴めるかもしれないが、それに対する危険値があまりにも高すぎた。
ガットは自分とイザだけだったらなんとかなるかもと向かって行っただろうが、イオがいる以上迂闊に虎穴へ飛び込むような真似をするのはさすがに躊躇う。
だがそこで何が起こっているのか気になるのも事実で、今は聞こえなくともいずれルトが巻き込まれる可能性もあった。
準備を怠った自分を恨みつつ迷うガットに、調子の変わったイオの声が届く。
「悲鳴が聞こえなくなった。匂いは残ってるけど今はなんにも聞こえないぞ。」
それを聞いたガットは浮かんだ様々な考えを天秤に掛け、答えを導き出しイオとイザへ伺いを立てた。
「危ないと思ったらすぐ引き返すけど、とりあえず行ってみようと思う。」
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