【START】

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歩きなれない二本足での歩行で疲れたイオも、ほぼ万全まで体力が戻る。 「そろそろイザを追い掛けようか。」 ガットと同時に立ち上がるイオは、小走りにイザの向かった方角へ進み出した。 「あんまり離れないでよ?一応周りに気を付けてね。」 保護者の如き声掛けにイオは手だけを振り返し、足を止めず更にガットから距離を離す。 行く先にイザがいるとはいえ、無闇に自分と距離を持たれてはいざという時対応できない。 ガットも走り出そうとしたが、ふとイオを見ると少し離れた場所で立ち止まっていた。 背中しか見えずこれ幸いと近付いていくが、何故かイオが後ずさってくる。 声の聞こえるであろう距離まで来たところで、ガットはイオの背中に話し掛けた。 「どうしたのイオ。イザがいたの?」 横に並んでおもむろにイオの顔を覗き込んだガットは、その表情にここへ来て一番と言っていいほどの驚愕を抱く。 猫の姿ではないが威嚇するように歯を見せ、小声で低い唸り声をあげていた。
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