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証言1 自殺した少年の父親の告白
刑事さん、妻があの子を殺したんです! 妻も自分が殺したと泣いていました。だから、妻があの子を殺したんです。
私とあの子は血が繋がっていません。そりゃそうでしょう、あの子は妻の連れ子なんですから。でも、私は血の繋がりなんて超えるほどにあの子を愛していた。
あの子のために、寝食も惜しまず働いたし、欲しいものはなんでも買ってあげました。そりゃ、少しは厳しくしましたけど、それはあの子が将来人様の迷惑にならない子になるための躾です!
妻はあのことずっと家にいました。それなのに、学校に行けなくなったあの子の事ばかり責めて……。どうして学校が嫌になったのか、話を訊いて、ちゃんと説得させるのがあの子のためだったのに、妻はその役目は私のものだと言ってきかないんです。
私は仕事が忙しくて、ロクにあの子とも話が出来ないのに。
そう、仕事なんて辞めてしまえばよかった。あの子ともっと向き合えはよかった。
中学受験に落ちたことをあの子は悔やんでいましたが、そんなことでくよくよするなと私はあの子に言いました。でも、あの子にその言葉は届いていなかった。私にはそれほどまでに、あの子と対話する時間がなかったのです。
それなのに、妻は部屋に引き籠ったあの子と視線を合わせようともしませんでした。実の我が子なのにですよ。可愛い私の息子を、あの女が殺したんです。
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