0人が本棚に入れています
本棚に追加
証言2 自殺した少年の母親の告白
あの子を殺したのは私です。あんな人と一緒にならなければ、あの子は死なずにすんだんです。すべてがおかしくなったのは、中学受験にあの子が失敗してからでした。
前から、あの人は継子であるあの子に辛く当たっていました。受験勉強中はそれはもう酷いものでした。あの子が勉強を少しでも嫌がると、あの人はあの子を怒鳴りつけて、それでも俺の息子かというのです。あの人とあの子は血なんか繋がってないのに。それが癪であの子にあんなことを言ったんです。
あの子が死んだのはあの人のせいです。あの子の本当の父親なんかじゃないのに、あの子を自分の息子だと周囲に自慢しては、自分が継子を可愛がるいい父親だと周囲にアピールしていました!
あの子は、あの男の道具だったんですよ。いい父親を演じるための道具!
だから、成績が悪いあの子に中学受験なんてあの人は勧めたんです。自分の株を上げるために、あの子に受験なんて無茶をさせたんですよ!
そのせいで、あの子は……。
それなのに、あの人は仕事が忙しいってあの子とロクに話もしなかった。私も部屋に引き籠ったあの子に何度か声をかけました。でも、視線さえ合わせてくれなくて、私も、あの子を避けるようになったんです。
それなのに、あの人は私の話すら聴いてくれませんでした。
最初のコメントを投稿しよう!