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少年の遺書
お父さん、お母さん。
本当に生まれてきてごめんさい。僕のせいで二人がもう喧嘩をしなくていいように、僕はいなくなります。
お父さん。
僕におとうさんが出来るって知ったとき、僕は凄く嬉しかった。こんなに優しくてカッコいいおじさんが、僕のお父さんになってくれるなんて信じられなかった。
躾が厳しすぎてお父さんが嫌になったこともあるけれど、いじめられている僕に中学受験を勧めてくれたことには今でも感謝してる。あんな奴ら見返してやれ、お前は強い子だってお父さんが言ってくれて、本当に嬉しかった。
でも、受験の当日にあいつらは僕を学校のロッカーに閉じ込めて、僕は受験を受けることが出来なかった。その仕返しにあいつらをボコボコにした僕を、お父さんは叱ったけど、お前は良くやったって抱きしめてくれたことを僕は一生忘れないと思う。
この人が僕のお父さんでよかったって、僕は心の底から思ったから。
でも、僕が受験に失敗してから、お父さんとお母さんは前にもまして喧嘩をするようになった。お母さんが僕に受験なんて無理だったって言えば、お父さんはそんなことはないってお母さんを怒鳴りつける。
僕のことで二人が喧嘩することはよくあったけど、それが耐えられなくなって僕は朝起きるのも嫌になっていった。大好きな二人が、僕のせいで傷つけあうのが耐えられなかった。
だから、お母さん。お父さんをもう責めないで欲しい。僕が学校に行けなくなったのは、お父さんのせいじゃない。お母さんが部屋に来て、僕にお父さんの悪口を言うたび、僕は胸が張り裂けそうなほど苦しかった。だから、お母さんとは話したくなかったんだ。
本当に、無視してごめんなさい。でも、僕はお母さんのことも大好きです。だから、もう、お父さんとは喧嘩しないで。僕のせいで傷つけあうのはやめて。
お父さん、お母さん。
僕は、二人の子供になれて幸せでした。二人から愛されて幸せでした。
だから、お父さんとお母さんが喧嘩をしなくていいように、僕はこの世から消えます。
今までありがとう。
さようなら。
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