悪魔と願いの代償

　夜。

　悪魔が娘を閉じ込めた部屋に行くと、娘はそれなりに身なりを整え直しておとなしく座っていた。

「決めた。お前を今までの人間どもの代わりにする。飽きるまでな」

　顔を見るなり平然と悪魔がそう言うと、娘はやはり驚いた様子。

「え…！？」

「まだ楽しめそうだからな。長く生きた事を後悔させてやるのも面白いだろう…普通に生きられるようにしてやる代わりに、毎晩お前の身体を好きにさせろ。それがお前への代償だ」

　それを聞いた娘は力無く頷く。

「…わ、分かりました……」

「昼間はどこにいてもいい。が、変なことは考えるなよ？それに、どうせ逃げられないからな」

　悪魔は悪意に満ちた表情で笑う。
　しかし娘は悪魔を見つめて言った。

「…逃げたり…しません……」

「…そうか、いい答えだ…存分に苦しめて楽しんでやる…！」

　言うが早いか娘を取り出した闇の鎖で縛り上げ、慣らしもせずに娘に自身の楔を打ち付けた。

「やああ！！」

「なんだ、お前の中に楽に入ったなあ？もっと痛めつけるか？」

　悪魔がそう言うと、ゆっくりと現れた黒い霧は娘にまとわりつき始める。

「なん、か…霧に…触られてる…みたい…あぁ…っ！！」

「ただの霧であるはずはないだろう？お前を苦しめるためだ。霧が身体中を責め続ける間、気を失うまで俺が揺さぶってやる！！」

「や、やだ…！！それはどうか…！！痛い…嫌っ…嫌あっ！！」

　娘は泣きながら、どうする事もできずに与えられ続ける快楽に身体をさらわれた。

「悪魔に願うというのがどういうことか、身を持って教えてやる…！俺が寝ている間に、逃げる算段でもするんだな。…逃げられるものならな…！」