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「うぉぉぉぉ、たすけてくれぇぇ。」
俺こと野村壮太はすがすがしい晴天の中、森で裸の筋肉マッチョとかわいい女の人(大嘘)と追いかけっこをさせられていた。
「出会って三秒でカビスたんと一緒に筋肉マッチョに追われるとかマジ萌えー(棒)」
「ぐぇっぐぇっぐぇっぐぇぇ!」
「おい、カビスたんって言うな、カリスだ!」
「ぐぇぐぇぐぇぇぇ!」
なんか知らんけど後ろからいろいろな声が聞こえてくるが、とりあえずそれは置いておき、俺にとって人生の分岐点となってしまった今日、俺はどこで間違えてしまったのだろうか…。
「私は神だ!皆ひれ伏せよ!」
ドアを開けた瞬間俺はその教室の中にいたやつらにそう言い放った。
「もしもしポリスメ~ン、ここに自称ペーパーを名乗る変質者(笑)が2人いま~す。即刻逮捕に来ることを願いま~すww」
「ははっ、やめろって。てか二人?」
「おう、そこにいるやつもおんなじこと言ってたぞ~。」
俺の親友であり同じ同好会のメンバーである岡田大樹はそう言った。
「むぅ、地球の女神であるこの佐藤桃花にそんなこと言ってると罰があたるんだからねっ。」
「いつも通りだな、おい。てかあいつは?」
「あいつなら今日風邪で休みだぞ~」
「そうか。でさぁ、ちょっと俺、田中恵美から三階の空き教室に来るよう呼ばれてるから行ってくるわ」
「おっ、ついに告られるのか~?」
そう、俺のことを田中恵美という女子が好意を持ってくれているっぽいのだ。同じクラスのやつで、前から俺と親しくしてくれていた。
いや~どうしようかな~。彼女ができたら嫁(二次元)に殺されちゃうじゃないか。
でも野村のポジティブシンキング!ヲタクでもやるときゃやれるんだ~!
「じゃあ行ってくるわ」
そう言って俺は教室を出て、三階まで行こうと階段を上っていった。
しかし途中でトイレに行きたくなってしまった。
野村、どうする?
・逃げる
・家に帰ってトイレに行く
・漏らす
野村は番外の選択肢、「三階に行ってからトイレに行けばいいや」を選択!テッテレー。ボーナス確定!社会的な死亡フラグ乙!
というのは避けたいので俺は途中で二階のトイレに向かった。
そして無事社会的な死亡フラグを回収しなくて済んだのだが、トイレから出よ
うとした瞬間地面に魔法陣みたいなのがあらわれて光りだした。
うわーまぶしいー眼がー眼がー。
てかあらやだ、うそん。
俺ってば異世界転生ってやつでもしちゃうの?
光が収まったと感じた後恐る恐る目を開けた。
あたりを見渡すとここはたぶん森なんだろうと分かる。
「うおっ、てか神様からのチュートリアルとかないのかよ。異世界転生じゃなくて異世界転移ってやつか?それともただの転移?とにかく訳が分からん。どうしてこうなったんだ。俺は何をしてしまったんだ。神よっ!なぜ俺は………全裸なんだ」
っとまあそれはともかく森を歩きまわることにした。
もちろん真っ先に大きめの葉っぱを見つけて大事なとこはきちんと隠したぞ。
紳士たるもの、やっぱりそこは大事だよな。
ちなみに余談だが「神様ナニコレ羞恥プレイ?キラン」とか言ってみても何も起こらなかった。
最初のほうは歩きながらここが異世界であることも考えて「ステータス」とか
空中に向けて一人言ってみたけどダメだった。
なにそれ恥ずかし。
どこの誰だよ、そんなこと言ったやつ。
歩いていると、少しして広い道が見え、時計がないからわからないが、道なりに進んでいくことたぶん三十分、向こうから歩いてくる一人の女性らしき人が見えた。
「おーい、そこの女の人。道に迷ったんだー。助けてくれー。」
「ん?あ、あれは…」
「おーい…」
「ラデツキー村の仇!!」
50メートルほどの距離まで近づいたとき、そんなセリフを吐きながら空中に炎の球を浮かべて走ってきた。
えっ、ちょww、姉御さん(笑)、冒険者っぽい服装から何となく察せたけどさ、とりあえず……ここってやっぱり異世界なんすね。
とか言ってる暇もなく、走りながら剣まで抜いてきたので俺はとりあえず逃げ出した。
てかラデツキーってww。
行進曲かよww
あと仇って言われてたけど絶対俺じゃないよな。
てかなんでいきなり殺しにくんの?やっぱり異世界は野蛮なの?
全裸の人間がその辺歩いてるならわかるけど……あ、俺今絶賛全裸生活中でしたわ。
まあいいか。次回「野村死す」デュエルスタート!
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