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「こんにちは…」
診察当日、私は恐る恐るクリニックのドアをあけた。
入って正面に受付があり、すぐに声をかけられ受付を済ませた。
待合室はホワイトとベージュを基調としたとても清潔感があり落ち着く空間だった。
良かった意外と普通だ、と一気に肩の力が抜けた。
「梨沢さん、診察室へどうぞ~」
看護師さんに呼ばれ私は診察室へ入った。
案内されるがまま、私は手前にあった椅子に腰掛けた。
診察室の奥には机があり、診察室へ入った時には先生はこちらに背を向ける形で椅子に座っていた。
「こんにちは、梨沢さん。本日はニキビで来院いただいたんですね」
と言いながら、先生は座ったまま椅子をくるりと回し、こちらを見た。
・・・時が止まった。
そう感じたのは私だけかもしれない。少なくとも私は、先生の顔を見た瞬間に身動きが取れなくなってしまった。
先生は私が今までに会ったことのないようなイケメン、というよりも顔立ちが整っていて清潔感が溢れていて、まさに”ハンサム”という言葉がぴったりなビジュアルをしていた。
「(こんなカッコいい先生に私の汚くて恥ずかしい所を見せなくちゃいけないの…?)」
とすこし戸惑っていると先生が再び私の名前を呼んだ。
「梨沢さん、大丈夫ですよ。ニキビを治して、キレイな肌になるようお手伝いさせていただきますからね」
「…はい、ありがとうございます」
「それでは診察しますので、そちらのベッドに横になってくださいね」
「えっ…あ…はい」
私は言われるがまま、ベッドに横になった。
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