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その日から私は先生の言葉を頭の中で繰り返し、ニキビが治るように意識をした生活を送った。
その甲斐もあり、あんなに消える気配の無かったニキビは完治。
大学でも「最近、キレイになった?」と色んな男性から声をかけられるようにもなった。
念願のバラ色キャンパスライフの始まりだ。
そう喜ぶべきなのに、どこか物足りなさを感じる自分に気がついた。
あの先生の声言葉がずっと忘れられない。
ほかの男性なんて興味ない。
私をキレイにしてくれたあの先生に、もう一度会いたい。
自分の本当の想い気がついてから、逆に何度かニキビができるように行動してみたりもした。
それでも、ニキビはもうできることはなかった。
先生のことを考えれば考えるほど、私の想いとは裏腹に肌は綺麗になっていった。
そして私は「これはもうそういう運命ということか」と諦めることにした。
こうして私の遅すぎた初恋は終わった。
「先生はニキビの薬だけでなく、恋という治療薬を私に投与してくれていたんだな」と私はニキビがなくなりキレイになった自分のお尻をなでながら少し涙を流した。
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