原風景(1)

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原風景(1)

c1e94331-0c48-4c74-877b-02ac08f4710a いつの間にか、実家で暮らしていたよりも、実家を出てからの年月の方が長くなっていた。それでも、子供時代を過ごした故郷の風景の幾つかは、鮮明に脳裏に焼き付いている。  小学校の窓からは、父が勤務していた工場の高い煙突2本と、その向こうに、頂上にテレビ塔の立つ山が見えていた。煙突から出る煙が、真っ直ぐに上がっていれば快晴、右から左に流れている間は天気が崩れる心配はなく、左から右に流れると、雨が降る前兆だ。  僕の小学生時代の原風景だ。
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