1人が本棚に入れています
本棚に追加
原風景(1)
いつの間にか、実家で暮らしていたよりも、実家を出てからの年月の方が長くなっていた。それでも、子供時代を過ごした故郷の風景の幾つかは、鮮明に脳裏に焼き付いている。
小学校の窓からは、父が勤務していた工場の高い煙突2本と、その向こうに、頂上にテレビ塔の立つ山が見えていた。煙突から出る煙が、真っ直ぐに上がっていれば快晴、右から左に流れている間は天気が崩れる心配はなく、左から右に流れると、雨が降る前兆だ。
僕の小学生時代の原風景だ。
最初のコメントを投稿しよう!