タクシー運転手の夜話

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 「おい?あれて、もしかして・・」 そう、天井に貼ってあったのは今にも剥がれそうな褐色に変わったお札だった。  「嘘だろ・・これてさ?誰か部屋で死んだとかで、お祓いのために使うやつだよな?なんでここにあるんだ?しかも、この黒い染みが付いた畳のちょうど真上の位置にあるし」 俺とお客さんは絶句したよ。すると、その時お客さんはそのまま静かに後退りをしだしたんだ。  「おい?どうした??」 俺がそう言うとお客さんは青白い顔で真っ直ぐ指をさしだしたんだ。ちょうど、俺の後ろのほうに。
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