タクシー運転手の夜話

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 「おんなが・・運転手さんの後ろにおんなが立ってるよ・・」 急にお客さんがそう言い出すんで、俺は恐る恐る後ろを振り返った、そしたらよ、そこにいたんだよ・・生まれて初めて見ちまったんだ・・幽霊てやつをよ・・華岡さん?信じてねーだろ?だけど、この世には科学では説明のつかねー事て本当にあんだよ・・ 「うわぁぁああ!!」 俺の目の前にいたのはスーツ姿の中年のおばさんだったんだ。今でもはっきり覚えてる。髪は肩まで垂れ下がり、顔は真っ青、まるで死人の顔だ・・それで目は虚、ただ、ただそこに立ってた。
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