タクシー運転手の夜話

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私はそう聞くとお客様はうなずきそのまま車を降りられました。私はやっぱりこの人おかしい人なんじゃないかと思って、ひょっとしたらこれから自殺でもするんじゃないかと思いまして、こっそりとお客様の後をついていこうと思ったのです。 車はエンジンをかけぱなしにして、お客様の歩いていった方向にひっそりと歩いていったんですが、ほんの数分前に降ろしたばっかなのに、人影すらないんですよ。辺りは真っ暗なので私はヘッドライトの灯りを目印にタクシーのほうに戻って懐中電灯を取り出して、再びお客様の歩いていった方向へと灯りを照らしながら歩いていったんです。
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