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第20話 仮契約
ウィシュト島・海岸。
空は薄暗く、不気味なオーラが辺りに漂う。
(い、居ないとは思うけど、お化けとかそういうの出て来たらどうしよう・・・・・・怖くなってきたな)
そう考えてマリアはふと考える。
(ここって誰も住んでないんだよね? 呪われた島とか言われるようになってからは人の出入りも全然ないって・・・・・・もし、誰も居ないのなら、)
今回の依頼は誰からの依頼なんだろうか。
そう言えば依頼主の名前が書いてなかった事に気付いて、マリアは顔を真っ青にして、固まった。
「マリアさん、手を貸してください」
「えっ・・・・・・あ、はい」
言われるがままに手を出せばそっと手を握られ地面に大きな紫色の魔法陣がでてきた。
そして辺りにまばゆい光が飛び散る。
「眩し・・・・・・って、え? これって羊?」
魔法陣から現れたの天使でも化け物ではなくて普通の、本当に、ごくごく普通の、黒色の羊だった。
「はい、私の使い魔です」
「この羊が?」
「普通の羊みたいでしょう?」
リューが羊の立派な角に触ろうと手を伸ばせば凄いスピードで避けられ、勢い良く角で突かれた。
「勝手に触るな、何様だ、クソガキ!」
喋った。
そう喋ったのだ。
羊が、しかも、凄く口が悪い。
腹を角で突かれたリューは顔を顰めたがすぐに笑顔を浮かべながら、膝を地面につけた。
「実は今は任務中でこれから別行動をする予定なんですけど、流石にマリアさん1人で行かせると死んでしま・・・・・・怪我をしてしまうかもしれません」
(えっ、今死んでしまうって言いかけましたよね!?)
「そこでマリアさんの護衛をして欲しいんです」
「はっ、嫌だね!」
「私の手持のどんな使い魔よりも強いクロなら快くお願いを引き受けてくれますよね?」
「・・・・・・おだててもやらねぇぞ」
「ならクロよりも強いルナに頼みま、」
「あんな女が俺より強いわけねぇだろ! 護衛とやらをしてやるから、二度と言うんじゃねぇ!!」
「ありがとうございます」
勝者、リューグナー。
(このクロって羊はプライドが高いのか、しかもかなりの負けず嫌い。 リューさんをそれを分かっているからルナとかいう人を引き合いにだした)
煽るのが上手いな、とマリアが思ってればクロと呼ばれた羊が近付いてきて服の裾を噛んでくる。
「おい、頭を撫でろ、許可してやる」
「は、はい」
ぽんぽんとクロの頭を撫でればリューに握られていた手に紫色の小さな魔法陣が手にでてきた。
「俺との仮契約の証だ。 分かったなら早く俺から手を離せ! 人間に触られるのはムズムズする!!」
「ご、ごめん、なさい?」
「それと敬語もなし」
「でもリューさんは、」
「アイツはいくら言っても聞かないんだ!」
「わ、分かりまし・・・・・・えー、分かった」
鋭い眼光に負けてそう言えば満足そうな様子で森の中へと歩いて行っていて急いで後を追い掛けた。
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