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カランカラン。
ドアに鈴がついていて、すぐドアを開けるとママらしき男性が客と親しげに話している。
「良くいらっしゃいましたぁ。どうぞ。」
温かいおしぼりを渡され、コップに水をそそぐ。
「どうされます?お酒は、のまれますか?」
「いえ、すみませんが仕事中ですので。おかまいなく。」
「そう、お水どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「本題にはいっていいわよ?」
「最近トラブルや何かお困りのこと、もしくは気になることございませんか?」
「騒音ですとか、隣人トラブルのような件など。」
「そりゃ、あるわよ?何?面白そうじゃない?」
「ひとつはね。ゴミのトラブルね、誰かゴミの中のものをあさられるらしいわ。不要なゴミの日ではないものが玄関先にあるらしいの。」
「いやん、ちょっと何か顎あたりがじょりじょりするわ。お話しながら、してもよいかしら?」
私は、聞くことに徹してしたので、どうぞという身振りをした。
電動の音が聞こえた後、いくつか聞き直そう。と
思ってその後彼女は外を見ながらこういった。
「今、鍵をかけたわ。あなた裏のほうから出なさい。そして又くるのは、少し控えて。」
「私が少し持たせるから、すぐ出て左手。店の中に駆け込むの。そして私が合図をだすわ。決して口外はしないで、ちょうだい。いい?」
急な早口に少しイントネーションが、ん?
「行くわよ。」
ピンポン
玄関のチャイムが鳴った。
来客は、鈴の音であくはずなのに。
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