赤、青、黄色

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 五分くらいしてから看護師さんが診察室から顔を出した。 「赤坂さん、赤坂蒼汰さん」 「あ、はい」  赤坂さんは診察室に入って行く。みどりはハンドバッグからのど飴を取り出して舐めようとした。ハンドバックの中には鏡も入っている。何気なくコンパクトを開いて自分の顔を見る。大人ニキビだらけで確かに風疹に間違われてもおかしくない。大学に入って最初の頃は薄化粧だってしたことあったのに今はこのボツボツのせいでファンデーションだって塗れない。  のど飴を舐めながら棚の上にある雑誌を物色していると、赤坂さんが診察室から出て来た。機嫌良さそうに軽い足取りで歩いてくる。 「受診、終わったよ」 「そうですか。風邪だったんですか?」 「ああ。そうみたいだ」  赤坂さんはみどりの横に腰かけた。 「それでさ、青井さん、土日が休みなんだよね。俺、日曜日が休みなんだ。事務をやってるから知ってるか。なあ一緒に横浜でも行かないか?デートしようよ。今週は病気明けでつらいだろうから再来週でもさ」 「私と一緒に?彼女とかいないんですか?」 「彼女はいないけどつい最近告られた。大学のときの後輩だ。俺は妹みたいに思ってるんだが、とっても可愛い子なんだよ。もしかしたら付き合うかもな」  赤坂さんは真剣な表情をして話す。本当のことなんだろう。みどりはガーンと棒で殴られたような気分になった。なんでだろう。もしかして赤坂さんに恋をしてるんだろうか。
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