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「まず、男の人からお金をもらう、お金をむしり取る、タダ飯を食らうみたいな概念を捨てました」
黄緑子さんがお金への執着を捨てた経緯を話し始めました。
「男がお金持ちであるべきとか、男が奢って当たり前みたいな感覚を私もふつうに持っていたわけですよ。ふつうにお茶も食事も出してくれる人と付き合ったこともあります。でも、ある日そういう概念(男性がお金を出すということ)が覆された事件がありまして……」
「どんなことがあったのですか?」
私は黄緑子さんに訊きます。
「奢ってくれるような彼氏と別れたあと、一人でいると淋しくなるんで、ある小さな居酒屋に出入りしていたら、そこで友だちができたんです。
で、そこで知り合った男女で遊んだんですね。
カラオケ行って飲んだり食べたり、ドライブしたり。
そしたら、ある中心人物だった男の人が、あるとき突然”泊まっていかない?”みたいに誘いをかけてきたんですね。それを断ったら、
”じゃあ、今までの飲み食い代、ちゃんと割り勘しよう”ってなって、お金を出してってなったんです。急に」
「はい」
「そしたら、今までのレシートの写メと、一円単位の割り勘額が送られてきたんです。銀行口座と一緒に」
「はい」
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