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「しかし、今日は何だか物足りないぞ」
金曜の夜、明日は休みと言うこともあり、和正は妙に浮かれていた。
気分だけでなく、身体も昂っていた。
「久しぶりに、エッチのお世話にでもなるかな」
足を歓楽街に向け、和正は風俗の店に入った。
『ボーイズ・バー アガメムノン』
若い頃は、よく通っていた店だ。
店内は個室に仕切られていて、客はそこで指名した男の子と過ごすことができる。
中出しは厳禁だが、その他なら何をしてもいい。
まだ駆け出しのころは自分より年上のお兄さん相手に、随分ヤンチャしたものだ。
「今となっては、店の子たちは皆、俺より年下なんだろうな」
改築改装されて、ゴージャスな雰囲気になったアガメムノン。
値段もそれなりに上がっていたが、今の和正には何と言うことも無い額だ。
2時間コースを選び、和正はスタッフのメニューを見た。
「SMは好みじゃないし、派手過ぎる子は苦手だし……」
写真をたどるうちに、和正は一人の顔の上で指を凍り付かせた。
「清水くん!?」
そこには、さっきまで一緒に過ごしていたはずの祐也が微笑んでいたのだ。
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