あかいろ

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中学生になりました。初めて制服を着てみると、横で見ていたお母さんは言いました。 「あら、セーラー服似合うじゃない。でもナナミちゃんみたいに髪が長かったら、もっと可愛かったのに」 私は中学生になって胸元まであった髪を切りました。鏡を見ても私によく似合っていると思う髪型です。ですが、全身が映る鏡の前に立つと、違和感を覚えます。男子みたいな髪型でセーラー服を着ているからです。 そしてやっぱり、胸元で揺れる赤いスカーフが嫌いでした。 中学一年生の夏、学校内は生徒たちの興奮によっていつも以上に暑くなっています。今日は中学生になって初めてのプールです。 私は泳ぐのが好きなので誰よりも楽しみでした。 「中学のプール深いよね、怖いなぁ」 「女子の水着見れるぞ」 「お前、腹筋割れてんじゃん!」 皆も楽しそうでした。 更衣室は前のクラスが使っていたようで、プールの水でびちゃびちゃに濡れています。塩素と人間の匂いが混ざって、鼻が曲がりそうです。 「うわぁ、臭い。やだなぁ」 私の横で顔を歪ませているのはナナミです。ナナミとは同じクラスになれたので、私たちはいつも一緒に行動していました。 セーラー服の赤いスカーフを解き、上を脱ぎます。汗を含んだ服を脱ぐと、少しスッキリしました。 私は下着姿のまま、次はスカートを注意深く下ろします。床に触れたらスカートが濡れてしまうからです。 何とか無事に脱ぎ終わりました。周りを見ると、皆身体にタオルを巻きながら着替えています。おそらく私が一番最初に着替え終わるでしょう。パンツに手をかけ、下ろしました。 私は目を見張りました。パンツが真っ赤に染まっていたのです。 私は大好きなプールに入れませんでした。あれほど楽しみにしていたのに。 けれど、先生やお母さんはおめでとうと言ってきました。その日の夕飯はお赤飯でした。 私はもっと赤が嫌いになりました。
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